プロジェクトを立ち上げた一人、リンゼイ・ターンブル（以下L.T）へのインタビュー
2月28日、世界で2番目に大きなサンゴ礁であるアルダブラ環礁で大規模な活動が始まりました。近年多くのプラスチックゴミが堆積しているこの島の清掃を、オックスフォード大学クイーンズ・カレッジのボランティアが5週間にわたり手伝いました。わずか数日間で、ボランティアたちはビーチサンダル、ボトル、ボールなど、4トンのゴミを回収しました。
このプロジェクトのきっかけと、あなたの役割は何でしょうか。
L.T： 私はアルダブラ環礁を管理するセイシェル諸島財団の評議員です。2年前、私たちは年次総会のためにアルダブラを訪れ、浜辺に堆積したプラスチックごみを目の当たりにしました。そこで私は、セイシェルとオックスフォード大学が共同で対策に取り組むことができないかと考えました。 クイーンズ・カレッジに戻った後、アルダブラに堆積したゴミを一掃する取り組みを組織するために協力してもらえないかと相談し、2018年5月にプロジェクトが正式に発足しました。これはセイシェル諸島財団とオックスフォード大学の共同プロジェクトです。私たちは、彼らに何をすべきかを指示するのではなく、何かが起こすを手助けしているのです。国際的なな協力体制の例として、大いに注目されています。
なぜアルダブラを選んだのですか。
L.T：アルダブラは、大きな町や都市から遠く離れているため、人間の生活圏からも離れている特別な場所です。だから、そこに大量のゴミが流れ着くのは本当に不思議です。海流によってゴミは海を循環していて、アルダブラは大きな海流の通り道にあるため、ゴミが押し寄せてしまうのです。
ゴミはどうやって回収するのですか。
L.T：とてもシンプルな方法です。まず、ゴミは巨大な袋に入れできるだけ分別します。アルダブラはサンゴ礁に囲まれているので、船を着岸させるのは難しいです。そこで私たちは小型船を使って、プラスチックを粉砕する設備を備えた大型船までゴミを運びます。その後、セイシェルの主要な島であるマヘ島に持ち帰り、保管施設に保管します。回収したゴミで何ができるか、組織と検討しています。理想を言えば、今後ゴミを処理するパイプラインがほしいですね。
海洋汚染は動植物にどのような影響を与えますか
L.T：これは比較的歴史の浅いテーマです。この問題がクローズアップされたのはごく最近のことで、私たちはまだプラスチックの影響を十分に理解していないと思います。時間が経つにつれて、海中のプラスチックはマイクロプラスチックに分解され、その小さな破片はあらゆる種類の動物に食べられます。多くの海鳥の胃の中にはプラスチックがありますし、カメも同様にプラスチックを食べています。クジラがプラスチックを飲み込んで死亡した例もあるなど、プラスチックは食物連鎖を通じて蓄積される可能性があります。私たちはまだその全容を理解していませんが、プラスチックは明らかに望ましくなく、実害をもたらす可能性があります。
長期的な教育的活動を展開する予定はありますか。
L.T：アルダブラにはレンジャーのチームがいて、今後数年間、ゴミの回収を続ける予定です。教育については、問題を軽減するために個人として何ができるかを自問自答する必要があります。そのひとつが、使い捨てプラスチックです。買い物に行くたびに渡されるプラスチックの袋どうなるのか考えることをやめてはいけません。現在残念なことに、9％しかリサイクルされていないのが現状です。
ここ数年で人々の意識が変わり、エコロジーへの取り組みが急務になったと感じます。
L.T：人々は目を覚まし始めています。しかし、状況が切迫しているからこそ、人々はより無力感を感じてしまうのです。だから私たちは、ティーンエイジャーをアルダブラ清掃プロジェクトに参加させることにしたのです。若い人たちが力を合わせて変化を起こしてほしいのです。最も影響を受けるのは彼らで、彼らに力を与えるのは私たちの役目です。
【アルダブラとは】
1. セーシェル（インド洋）に位置する
2. 世界で2番目に大きなサンゴ環礁
3. 世界最大のゾウガメの生息地
4. ユネスコ世界遺産
5. 定住者はいない。アルダブラの生物多様性を研究する12人のスタッフのみ