南極で出会うことができるペンギンの種類と魅力
南極に生きるペンギンの魅力
極寒の南極に暮らす海鳥たちを紹介します。この好奇心旺盛で愛らしい鳥たちを見分ける方法をこのガイドで学ぶことができます。威厳あるコウテイペンギンや、いたずら好きなイワトビペンギンなど、彼らの隠れた才能や魅力を深く解き明かします。
南極の象徴 コウテイペンギン
南極大陸に生息するコウテイペンギンは、体高130cmに達する最大種です。黒い背と白い腹、そして耳元の黄色い斑点が特徴的な、最も象徴的なペンギンです。極寒の地で魚類などを食し、過酷な環境を生き抜くその威厳ある姿をご覧ください。
南極の極寒に適応したコウテイペンギンは、最大500m潜水し水中に30分も留まる驚異の能力を持ちます。南半球の厳寒期に流氷上で繁殖する唯一のペンギンで、オスが卵を温めます。命懸けで雛に餌を運ぶメスとの協力的な子育ては、南極の旅で見ることができるハイライトの一つです。
華麗なるダイバー キングペンギン
コウテイペンギンに次ぐ大きさのキングペンギンは、亜南極諸島に生息しています。長い嘴と、頭部から胸にかけての鮮やかなオレンジ色のグラデーションが特徴です。発光する魚などを捕食するため、深く潜る最高のダイバーとしても知られています。ぜひその優雅な姿をご覧ください。
キングペンギンは、コウテイペンギンとシルエットは似ていても繁殖地が大きく異なります。南極の流氷上とは対照的に、亜南極諸島の海岸本土で巨大なコロニーを形成します。その優雅な姿と壮大な群れは、忘れられない旅の光景となるでしょう。
ペンギンが集うコロニーの秘密
ペンギンは、天敵から身を守り、極地の厳しい寒さを乗り越えるためにコロニーで生活します。集団で寄り添い熱を生み出すことで生存を確保。配偶者探しや採餌の分担を助ける、社会的な知恵です。
水中最速 ジェンツーペンギンの魅力
南極半島や亜南極諸島に生息するジェンツーペンギンは、水中最速を誇る種です。両眼を結ぶ白い帯と鮮やかなオレンジ色の嘴が特徴的。長く尾を振りながら水中を自由に疾走する、活発な彼らの姿との出会いをお楽しみください。
ジェンツーペンギンは、水中最速の泳ぎ手として知られ、時速36kmにも達します。営巣地として海岸や谷間など雪から守られた場所を好み、小石や草を積み上げて頑丈な巣作りをします。親鳥が協力し、37日間かけて大切に卵を抱卵する様子に心が和むことでしょう。
南極のいたずら者 アデリーペンギン
南極大陸に生息するアデリーペンギンは、目の周りの白い輪と、極寒に耐える黒い羽毛が特徴です。繁殖期には、海に近い岩場でコロニーを形成し、小石を集めて巣作りをします。近隣の巣からこっそり小石を盗む、いたずら好きな一面も魅力です。
1837年にフランス人探検家によって発見され、彼の妻アデルにちなんで名付けられました。このペンギンは、岩場に集まり、小石を積み上げたり、近隣の巣から盗んだりしながら巣を作ります。親鳥が協力して2個の卵を抱卵し、約2ヶ月かけてヒナを育てる愛らしい姿をご覧いただけます。
アデリーペンギンの睡眠の秘密
極地の厳しい環境で生きるアデリーペンギンは、1日に最大1万回、平均4秒間の短い仮眠をとることで、合計11時間の睡眠を確保していることが、最新の研究で明らかになりました。過酷な環境に適応した彼らの驚異の生態をご覧ください。
顎ひも模様が愛らしい アゴヒゲペンギン
亜南極諸島に生息するアゴヒゲペンギンは、喉元の細い黒帯がまるで顎紐(チンストラップ)のようで愛らしい種です。主な食料は南極オキアミで、天敵はヒョウアザラシなど。極寒の海で逞しく生きる彼らは、短い睡眠で活発に過ごす睡眠のチャンピオンとしても知られています。
アデリーペンギンやジェンツーペンギンの生息域付近で、アゴヒゲペンギンの巨大なコロニーに遭遇することがよくあります。彼らは繁殖期に、3日間隔で2個の卵を産み、両親が協力して約37日間抱卵します。岩場に集う壮大な群れと、微笑ましい子育ての様子が待っています。
鮮やかな冠羽のマカロニペンギン
マカロニペンギンは、亜南極諸島に生息する独創的な姿のペンギンです。目の周囲から額にかけてカールした鮮やかな黄色の冠羽が最大の特徴。赤い目と広いオレンジ色の嘴も目を引く、個性豊かなペンギンです。
19世紀、黄色い冠羽が当時流行の男性のファッションに似ていることから名付けられました。社交的な彼らは一生の大半を海で過ごし、岩場の海岸や崖に巣を作ります。メスは2個の卵を産みますが、両親が抱卵しても最終的に孵化するのは1個のみという興味深い生態です。
最高の跳躍者 ミナミイワトビペンギン
ミナミイワトビペンギンは、亜南極諸島に生息し、くちばしから後頭部にかけて広がる鮮やかな黄色の冠羽が特徴です。比較的体が小さく、オキアミなどを主な食料としています。その愛らしい見た目から、最も大胆な種とも呼ばれています。
その名の通り、彼らは驚くべき能力で崖の頂上まで優雅な跳躍を繰り返しながら登ります。数万羽からなるコロニーは海岸近くの岩場に形成され、営巣します。産まれた2個の卵は親鳥が抱卵しますが、小さい方の卵が孵化する例は稀という興味深い生態です。
南半球に広がるペンギンの楽園
南極大陸と亜南極諸島が主要な生息地ですが、ペンギンは南半球の他の地域でも観察が可能です。ニュージーランドやオーストラリア南部では、最も小型なコガタペンギンが生息。南アフリカではケープペンギン、南米沿岸ではマゼランペンギンに出会えます。
ペンギンとウミガラスの違いは?
ペンギンとウミガラスは生体が似ているためしばしば混同されますが、両者は全く異なります。ウミガラスは飛ぶことができる北半球に生息する鳥です。一方ペンギンは、翼がひれに似ており、飛べない代わりに水中で極めて機敏に泳ぎ回る南半球固有の鳥です。
紹介をした場所だけでなく、ポナンの南極を巡るコースの一覧はこちらからご覧いただけます。
ポナンでゆく南極コース一覧
[英語版サイト]南極コース一覧