エクスペディションクルーズに乗船したキースとジョーのお二人に、訪れたキンバリー地域について話をうかがいました。 どこか遠くへ。そんな思いが心を占め、実は身近に存在する美しい場所の素晴らしさを全く知らずにいるという経験が誰しもあるのではないでしょうか。オーストラリア人のキースとジョーが、オーストラリア国内でありながら遠く離れた辺境の地、キンバリー地域を訪れるエクスペディションクルーズに参加することを決めたとき、二人は初めて訪れる地域を知る喜びに胸が高鳴る思いだったと言います。しかし同時に、そのクルーズがどのような体験をもたらすのか、当初は全く想像もできなかったと振り返りました。 クルーズを終えた二人は、参加した旅以上に驚きに溢れ、心揺さぶられる体験はないと言ってよいだろうと語ります。大自然がそのままの姿で残るキンバリー地域について、ル ラペルーズの乗船体験とあわせ、二人により詳しくうかがいました。
お二人はキンバリーコーストを訪れるエクスペディションクルーズから戻られたばかりですね。初めて行かれたキンバリー地域の魅力とはどのようなものでしたか?
ジョー:キンバリーの広大さや何百万年にもわたる歴史については聞いていました。辺境にあり、手付かずの大自然がそのままに残る貴重な地域であるということも。実際に訪れてみると、多様な地形、溢れる色彩、豊富な海洋生物、神秘的な空気、先住民の暮らしと土地と結びつきなど、魅力はさらに広がりました。
キンバリーコーストはどのような場所だったとお感じですか?
キース:キンバリーに広がる未踏の大自然は、間違いなく、この世界で最も手付かずの貴重な環境だと感じました。 ジョー:それに付け加えるとすれば、太古の時代から続く大自然は壮大で、また、とても崇高な場所であるという印象を受けました。
乗船されたのは、エクスプローラーシリーズの最初の船、ル ラペルーズでしたね。ポナンのクルーズには初めてご乗船とのこと。船内生活はいかがでしたか?
キース:クルーズ自体が初めての体験でした。ですから、最初は船旅がどのようなものか、想像ができませんでした。私たちがどのような期待を持って乗船したにしろ、それをたやすく上回る素晴らしいサービスと温かいおもてなしで、スタッフ全員が迎えてくれました。私にとってル ラペルーズは、5つ星のスタンダードに照らし合わせても、それ以上のものだったと感じます。船室、船内設備、食事、そのすべてを存分に楽しみました。 ジョー:ル ラペルーズでの船上体験は素晴らしいものでした。キャプテンをはじめスタッフのみなさんによるサービス、提供される食事、船室、船内設備・・・そのどれもが、常に期待を上回るものでした。エクスカーションに参加すれば驚きが待ち受けていましたし、エクスペディションチームのみなさんの知識と情熱にも感銘を受けました。すべての体験が円滑で、ポナンのみなさんはチームとしてプロフェッショナルだと感じています。個々のエクスカーションもわくわくする内容で、またとない冒険の機会となりました。参加者それぞれが持つ様々なニーズや健康状態に対しても、適切な対応がありました。船そのものも過度なきらびやかさや派手さがなく、この上ないほどに快適で、乗船者数もちょうどよい規模だったと思います。
最も印象に残った体験を教えてください。
ジョー:キング・ジョージ川に流れる「双子の滝」、ツイン・フォールズを訪れたこと、エマ渓谷とゼベディ・スプリングスの散策、ゾディアックでのクルージング、豊富な海洋生物との出会いが、私にとってのハイライトでした。しかし最も深く感動したのは、7頭からなるクジラの群れを目撃した体験です。雄の群れが一時間以上にわたり雌を求め泳ぎ回り、雌のクジラは船の下に逃げ込むこととなったのです。クジラたちは船のすぐそばを泳ぎ、その動きはダイナミックで熱狂的、そして壮大でありながらも優美であり、威厳を感じさせる姿を見せてくれました。エクスペディションガイド陣も大興奮でした。私の横にいた女性は、クジラとの劇的な遭遇とそのスケールの大きさ、そこに沸き上がる様々な感情に、涙を流していました。 キース: 記憶に残る印象的な体験があまりに多く、その中からたった一つを選ぶのはとても難しいですが、一つ挙げるとしたら、早起きした朝の出来事です。船内のジムでフィットネスバイクに乗っていたのですが、その時、船のすぐそばで水面から飛び上がるクジラの姿を見たのです。私がいた場所のちょうど目の前での出来事でした。
エクスペディションチームから、キンバリーについて様々な知識がシェアされたことと思います。その中で、特に驚いたり珍しいと感じたりしたことはありましたか?
ジョー:それはもうたくさんありました!エクスペディションガイドチームから教わったことはどれも驚きに満ちたもので、その中から一つを選ぶことができるかどうかはわかりませんが、深く感動したことを挙げるならば、キンバリーの持つ長い歴史と、そこから私たちが学び取れることがどれほどあるかを知ったことです。あの地域ほど長い歴史を持ち、深い知識を私たちに授けてくれる場所は、地球上にほとんどないということにも、心を動かされました。 キース:地質学、歴史、ロック・アート、先住民の風習などについても、非常に多くの興味深い知識を得ることができました。ロック・アートが6万年前に遡るものだと初めて知り、その歴史の長さに圧倒されました!
野生動物との出会いについても教えてください。
キース:ゾディアックに乗っていたとき、目の前を泳ぐジュゴンを目撃した瞬間は忘れられません。そのほかにも非常に多くの海洋動物と遭遇しました。船と並行して泳ぐサメ、船の周りや下を一時間以上も泳ぎ回る7頭のクジラ、そしてカツオドリ、アカアシカツオドリ、アオツラカツオドリなど、膨大な数の鳥たちにも出会いました。
心に強く残るキンバリーコーストの印象はどのようなものですか?
ジョー:人生観を変える力を持ち、非常に崇高で、また息をのむほどの美しさで心を揺さぶり、謙虚な気持ちをもたらす場所、奥深い寛容さで訪れる人を包み込むような場所、と表現できるでしょう。 キース:キンバリー地域に住む人々にとって、あの土地はとても神聖な場所です。あのような手付かずの荒々しい大自然を訪れたことで、自分が変わったと感じています。そのような経験を、美しい船が提供する快適さに身を置いたままに体験することができました。人生で成し遂げたいことのリストの一つに、「体験済み」のチェックマークを入れることができました。
次の目的地はどちらですか?
ジョーとキース:私たち二人は、エクスペディションクルーズで人生が変わりました!広大な大自然が広がる地域をさらに旅したいと考えています。2021年2月は南極大陸へ、8月にはアイスランドへと向かう予定です。