バハ カリフォルニアへの調査旅

バハ カリフォルニアへの調査旅

太平洋とコルテス海に挟まれたオアシス

太平洋とコルテス海の間に位置するバハ カリフォルニアは、手つかずの自然が残る美しい半島です。2027年、この魅力的な半島を舞台に新たな探検クルーズが計画されています。これは、ポナンの探検ディレクターであり、鯨類の専門家でもあるホセ サリカ氏が率いた、20日間にわたる調査・探検旅の成果です。この特別な旅の物語をご紹介します。

 

荒々しくも力強い自然との出会い

旅の始まりは、東海岸にあるエスピリトゥ サント島とロス イスロテス島沖でした。カリフォルニアアシカの群れが水中を舞い、チームを歓迎します。数百羽のペリカンがマングローブの森に一斉に飛び込み、けたたましい音を立てる壮観な光景。たった1日で、火山が創り出したビーチやターコイズブルーの海、そして生命力あふれるマングローブが次々と姿を現しました。まるで、これから始まる冒険の舞台が整ったかのようでした。

カボ プルモ:海の聖域を守る人々との対話

続いて、一行は半島の南東、カボ プルモへと向かいました。ここはバハ カリフォルニアの海洋生物多様性保全の中心地です。
ホセ サリカ氏はここで、1990年代にこの地域がエコツーリズムへと転換する上で中心的な役割を担った、元漁師のマリオ カストロ氏と出会いました。
当時、魚の乱獲により海の豊かさが失われつつあることに危機感を抱いたカストロ氏は、適切な規制がなければ、この豊かな海は二度と戻らないと悟ります。彼は科学者や団体に警鐘を鳴らし、地域住民をまとめ上げ、メキシコ政府に国立公園指定を嘆願しました。海洋公園での漁業が禁止されると、海中のサンゴ礁は徐々に回復し、魚の個体数は劇的に増加。元漁師たちは、公認のダイバーや自然ガイドへと活躍の場を広げたのです。

「40年前、コククジラはまだ漁の対象で、魚類資源は無制限に乱獲されていました。しかし、その後、意識が高まり始めました。今日、私たちに道を示してくれるのは、地元のコミュニティです。」
―ホセ・サリカ

その後、彼らは完璧な連携で水中を優雅に泳ぎ、「まるで天使のように」ジャンプするイトマキエイの群れに出会った後、ロレト国立公園に向けて北へと進みました。

ロレト国立公園:すべてが繋がる場所

シュノーケリング、ホエールウォッチングなど、ロレト国立公園では「すべてが繋がっています」とホセ サリカ氏は言います。彼はこの場所を「完璧な立ち寄り場所」と表現し、すでにクルーズの乗客に提供できる体験を思い描いていました。コロナド島では穏やかなビーチが物思いにふける人々を魅了し、スタインベック渓谷や成層火山の山頂は、息をのむような絶景でハイカーを惹きつけるでしょう。
カルメン島とダンザンテ島沖の透明な海では、およそ100頭のバンドウイルカの群れが姿を現しました。その光景は「まるで本物の動物ドキュメンタリーのようでした。こんなに素晴らしい光景に出会えることはめったにありません」とホセ サリカ氏は語ります。

「ロレト国立公園での探検は、従来の観光とは一線を画した、新しく、手の届きにくい本物の何かを求めるお客様にとって、貴重で特別な体験となるでしょう。」
―ホセ・サリカ

コククジラとの奇跡の出会いを求めて

鯨類の熱心な専門家であるホセ サリカ氏は、40年以上にわたりコククジラとの出会いを夢見てきました。乗客とこの経験を分かち合いたいという思いこそが、彼がバハ カリフォルニアを横断して探検する最大の理由でした。
毎年12月中旬から4月中旬にかけて、コククジラは繁殖のため、アラスカやシベリアの氷海からバハ カリフォルニアの太平洋沿岸のラグーンへと回遊します。「これは哺乳類の中で最も長い回遊です」とホセ氏は説明します。その話を聞き、チームは西へと向かいました。

ザトウクジラの出迎え

マグダレナ湾に到着すると、最初にザトウクジラが迎えてくれました。水面から飛び出すアクロバティックな動きから「海の道化師」という愛称で呼ばれている、とホセ氏は説明します。チームはこの魅惑的な瞬間を堪能しましたが、本命のコククジラを探しに、さらに北へと航海を続けました。

「感動で涙が出た」コククジラとの遭遇

バハ カリフォルニアで最も多くのコククジラが生息していることで知られるゲレロ ネグロのサン イグナシオ礁湖では、普段人間を警戒しているオスのクジラたち――そのうち人間に興味を持つのはわずか10%ほどと推定される――がついにチームの呼びかけに応じました。

「クジラたちが私たちに撫でてもらうために、自分たちから寄ってきたんです。私たちが彼らのところに行くのではなく、彼らが私たちに近づいてきてくれた。まさに『未知との第三種接近遭遇』でした。感動して涙が出ました。」
―ホセ・サリカ

探求し、尊重し、共有する旅

体温調節のためにひれを扇のように広げて浮かぶアシカの群れを眺め、アシカの横で自由に泳ぎ、ペリカンが水に飛び込む中で、静かにマングローブの間を進む。そしてコククジラとの交流。こうした優雅な瞬間は、ペースを落とし、一歩引いて、自然の営みをじっくりと味わうことができる人にだけ訪れるものです。

この考えは、極地や熱帯地域といったデリケートな場所を訪れる際に徹底されるバイオセキュリティ プロトコルにも反映されています。環境に優しい石鹸を使った手洗い、水中に投入する機器の消毒など、人間から動物へ、あるいはその逆のバイオコンタミネーションを防ぐためのあらゆる予防策が講じられます。

そして、「動物から接触を促してもらう」という一つの原則が設けられています。ホセ サリカ氏は、「クジラと慣れ親しんでいる地元のガイドとボートのみと協力する」という私たちの決定によって、このアプローチがさらに強化されていると強調します。 「バハ カリフォルニアを探検するお客様は、砂の上に足跡以外何も残さないでしょう。」
―ホセ・サリカ

旅を終えた人々は皆、その土地のアンバサダーとなって帰っていきます。「私たちは、知っているものをよりよく守ろうとします」とホセ氏は語ります。「私たちが望むのは、お客様が生まれ変わった状態で帰ることです。彼らが経験したことは、単なる幸運な機会ではなく、責任であり、そしておそらくは、この地球に対するコミットメントでもあることを理解してほしいのです。」

バハ・カリフォルニアでの調査活動について詳しく知るには、ドキュメンタリーをご覧ください。

紹介をした場所だけでなく、ポナンの地中海を巡るコースの一覧はこちらからご覧いただけます

[英語版サイト]中央アメリカコース一覧

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