コーンウォールのピクシーと魔法の生き物たち
野生の面影を残すコーンウォール地方を旅するなら、「ピクシー(小妖精)」にはご用心。特にドルメン(支石墓)やメンヒル(立石)のそばを通るときは要注意です。このおどけたいたずら好きの妖精は、小さな男の子のような姿をしており、イングランド全土や周辺の島々にある古代遺跡に住んでいると言われています。彼らは巨大な石碑の間で踊ったり遊んだりするのが大好きです。
ファンタジーの金字塔『指輪物語』の著者、J.R.R.トールキンの故郷であるこの地には、一つ、あるいは複数の石のブロックで構成された先史時代の遺構が数多く残されています。最も有名なのは「ストーンヘンジ」でしょう。巨大な直立石が描く外側の円と、それを取り囲む内側の小さな円。このユネスコ世界遺産は、太陽を祀る神殿や聖域であったと考えられていますが、その謎は今も完全には解明されていません。
ブリテン諸島には、細長く切り立った巨大な石が並ぶ、神秘的な聖域が他にも存在します。例えばカンブリアにある「ロングメグと娘たち」は、69個の石からなる青銅器時代の遺構です。伝説によれば、これは魔術師によって石に変えられた魔女の集団だと言われています。この物語は、海辺のリゾート地ペンザンスの丘にあるストーンサークル「ボスケドナン」の伝承とも重なります。


