大胆で独創的な料理を生み出すシェフへの5つの問い
最高の食材で最高の料理を作ることに情熱を注ぐシェフ、フランソワ・フォーヴェル氏。モナコにあるアラン・デュカス氏の厨房で腕を磨き、現在はその洗練された腕前で、パリを流れるセーヌ川に浮かぶ船上レストラン、「デュカス・シュル・セーヌ」の料理人チームを率いています。美食とワインをテーマにしたポナンのクルーズに料理人として乗船するフォーヴェル氏に、他の料理人とは異なる道を歩んできたこれまでの経験について伺いました。その人となりにも触れるインタビューをお楽しみください。
デュカス・シュル・セーヌのかじ取りを任せられたとお聞きしました。このプロジェクトはどのように始まったのですか
2018年5月に始まり、同年9月に正式にスタートした素晴らしいプロジェクトです。私は、アラン・デュカス氏と共にメニューを考案するという特別な機会に恵まれました。その後チームを結成し、準備したすべてを船に結集させてクルーズが始まりました。世界有数の美しい景観を誇るセーヌ川という舞台で、船上で一から準備した料理をお客様に提供できる喜びを感じています。 もちろん、船上という空間には、厨房として使うことのできるスペースをはじめ、一定の制限があります。ですが幸運なことに、素晴らしいレイアウトの厨房が完成しました。限りある空間では、予備の食材を積み込むことができません。そのため、手元にある食材をきっちり使うという方法で調理を行っています。また、船の動力は電力のみで、その稼働時間は4時間と限りがあるため、電気と水を節約することを常に心がけなくてはなりません。
アラン・デュカス氏との関係は、モナコにある同氏のレストラン「ルイ・キャーンズ」で始まりましたね。そこでの経験について教えてください。
すべてを事細かに覚えています!またとない特別な経験を得たレストランであり、デュカス氏の料理スタイルの基礎を学んだ場所でもあります。ミシュラン三ツ星の厨房に入るのは初めての経験であり、多くの有名シェフと同じ厨房に立つ機会を得ました。ルイ・キャーンズでは、3つのことに優先順位を置きました。理想的な食材を選ぶこと、理想的な味で料理を提供すること、そして、下ごしらえと調理の技術をマスターすること、です。
美食とワインをテーマにしたポナンのクルーズに乗船されるそうですね。クルーズの参加者と共有したいものは何でしょうか
通常私が料理を提供しているレストランで体験するのと同じ体験を、船上でもお楽しみいただけたらと願っています。特別なメニューを考案し、私にしかできないおもてなしで提供します。料理人としての私の独自性を、お客様におすそわけすることを目指しています。
食に関する旅で、これまで特に強く感銘を受けた体験はありますか
最近、日本を訪れる機会を得ました。寿司に関して私は、握りについても巻物についても、西洋における作り方の概念しか持ち合わせていませんでした。日本へ行ってみると、そこには全く異なる現実がありました。食材選びから握り巻く技術、そして味付けまで、すべてが新しい体験でした。あの旅は忘れることができません。
魚介類と肉を組み合わせたメニューの中で、特に好んで料理されるものはありますか?
赤ワインソースを添えたスズキと手羽先の組み合わせです。肉食性の魚であるスズキをメインとする料理である点が気に入っています。
旅に関してお好きな・・・
書籍は フランスの旅行ガイドブック“Le Routard”
楽曲は コールドプレイの”Adventure Of A Lifetime”
映画は パイレーツ・オブ・カリビアン