スペイン南東部の新たな魅力を発見する旅

スペイン南東部の新たな魅力を発見する旅

驚きに満ちた地

風景に溶け込む自然保護区、情緒あふれる広大な砂漠、秘宝のように隠された手かずかずの秘境のビーチ、山肌に張り付くように佇む白い村々、豊かな歴史の面影、そして微笑みのように降り注ぐ太陽……。スペイン南東部は、息をのむほど美しく多彩な魅力で訪れる人々を圧倒します。その概要をここにご紹介します。

 

タベルナス砂漠:映画の聖地

アルメリア県の中心に位置するタベルナス砂漠。ヨーロッパ唯一の砂漠であるこの地は、『アラビアのロレンス』や『インディ ジョーンズ』、セルジオ レオーネ監督の西部劇など、映画史に残る名作の背景となってきました。全盛期には14もの屋外スタジオがありましたが、現在は保存され、「ミニ ハリウッド」や「フォルト ブラボー」といったウェスタン・ビレッジとして一般公開されています。映画ファンや砂漠を愛する人々にとって、西部劇の世界に浸る忘れられない体験となるでしょう。

カボ デ ガータ:砂漠が海へと溶け込む場所

北アフリカの対岸、スペイン東部の南端に位置するカボ デ ガータでは、火山岩が海へと流れ込み、語り尽くせないほどの自然の宝庫が広がっています。1997年にユネスコの生物圏保存地域に指定されたカボ デ ガータ自然公園は、60kmの海岸線を含む約4万ヘクタールの広さを誇ります。乾燥した内陸部からクリスタルのように澄んだ海辺まで、驚くほど多様な動植物が生息しています。ここは本格的なハイキングの聖地でもあり、アガベ、ドワーフパーム、ナツメ、マスティックの木など、固有の植生が豊かに広がっています。カメレオンや、この地域のシンボルであるヤモリ、猛禽類や渡り鳥に出会うことも珍しくありません。時には野生のイノシシやキツネが姿を見せることもあります。紺碧の海を見下ろす石灰岩や黒い岩の断崖の足元には、美しい入り江や手つかずのビーチが広がり、岸からすぐの場所では豊かな海洋生物が息づいています。

マラガに点在するアンダルシアの「白い村」を訪ねて

豊かな緑に囲まれた山肌に、日陰のある曲がりくねった通りと、白壁の家々が密集する光景が目に飛び込んできます。これらは「プエブロ ブランコス(白い村)」と呼ばれるアンダルシアの白い村々です。イスラム教とキリスト教、二つの文化が交錯したこの地域の歴史的遺産が大切に守られています。特にマラガ周辺には多くの村が集まっており、近隣のコスタ デル ソルのリゾート地の喧騒を離れ、心落ち着くひとときを過ごせます。町を二分する深い峡谷に架かるヌエボ橋、闘牛場、アラブ浴場、ムーア人の宮殿で有名なロンダは、この観光ルートの中でも間違いなく最も壮観な景勝地の一つです。また、1950年代から芸術家に愛されてきたミハスも、壮大な松林に囲まれた必見の村です。さらに東へ進んだグラナダ州にあるフリヒリアナは、地中海の絶景を望む魅力あふれる村として知られています。

カミニート デル レイ:目もくらむような絶景ルート

マラガのシエラ山脈にあるエル チョロには、目もくらむ歩道、伝説の「カミニート デル レイ(王の小道)」があります。ガイタネス峡谷の断崖絶壁に取り付けられたこの歩道は、木材、ロープ、スチールで作られ、3km以上にわたって延びています。足元300メートル下にはグアダルオルセ川が流れる、スリル満点のルートです。20世紀初頭に二つの地区を結ぶために建設されましたが、1921年にアルフォンソ13世が視察に訪れた際、この険しい道を勇敢に渡ったことからその名がつきました。単にスリリングなだけでなく、ロス アルダレス自然公園内を通るこのルートでは、旧石器時代の壁画が残る20以上の洞窟など、歴史的な発見も待っています。

ありのままの自然:ムルシアからマラガに眠る4つの秘境ビーチ

スペイン南東部の海岸沿いには、いくつもの自然公園が点在しています。観光開発による乱開発から守られ、地域の自然遺産を大切にする自治体によって整備された隠れ家的なビーチや入り江が数多く存在します。もし旅程で4つ選ぶなら、まずはムルシア州カルタヘナにある、黄金の砂が美しいカルブランケ ビーチをお勧めします。次に南下して、カボ デ ガータ=ニハル自然公園にある広大なロス ヘノベセス ビーチを訪れてみてください。さらに南へ進むと、グラナダ州の「トロピカル海岸」にあるグアルチョスに到着します。ここでは、透明度の高いラ リハナ入り江で涼むのが最高です。そして旅の締めくくりは、マラガ近郊ネルハにあるカレタ デ マロ。ここは、自然の滝が直接海へと流れ落ちる、まさに隠れ家のようなビーチです。

 

カルタヘナのローマ遺跡とグラナダのアルハンブラ宮殿:歴史と遺産の融合

地中海文化とイスラム文化が交差するスペイン南部の遺産は、この地を支配した二つの大きな文明の影響を色濃く反映しています。カルタヘナでは、ローマ帝国の威容を伝える遺跡が街のアイデンティティとなっています。一方、さらに南のグラナダやアンダルシアの他地域では、イスラム支配下で築かれた文化が色濃く残っています。中でも、決して見逃せないのが壮麗なアルハンブラ宮殿です。

東アンダルシアのシエラ山脈と国立公園

砂漠、山、そして海……。東アンダルシアは、国立公園に指定された二つの重要な山脈を持つ地です。グラナダのすぐそばにそびえるシエラネバダ山脈は、ふもとに広がる乾燥した平原とは対照的な高山気候で、最高峰ムラセン山は標高約3,500メートルに達します。ここにはスペインで最も標高が高く、ヨーロッパで最も南にあるスキーリゾートがあります。一方、マラガ州のシエラ デ ラス ニエベスは、標高こそシエラネバダに及びませんが、冬には毎年雪に覆われます。多様な野生動物が生息するこの地は、1995年にユネスコの生物圏保存地域に指定されました。

 

紹介をした場所だけでなく、ポナンの地中海を巡るコースの一覧はこちらからご覧いただけます。

ポナンでゆく地中海コース一覧

[英語版サイト]地中海コース一覧

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