コルシカからサルデーニャへ:隠された至宝を訪ねて
フランスとイタリアの間に位置する約20キロメートルの海峡は、旅人に特別な体験をもたらします。そこにあるのは、単なる「眠れる美女」のような静かな地中海のイメージとは一線を画す世界です。世界初の国際海洋公園となったボニファシオ海峡は、水中のお宝や美しい島々に溢れており、ヨーロッパでも有数の驚異的な自然保護区となっています。
ボニファシオ海峡自然保護区:独自の生物多様性
コルシカ島とサルデーニャ島の間に広がる8万ヘクタールのボニファシオ海峡は、フランス本土で最大の自然保護区です。石灰岩の絶壁から花崗岩の奇岩まで、陸からも海からもアクセス可能な120キロメートルに及ぶ海岸線が広がっています。
ボニファシオ地方には、25もの素晴らしいビーチや秘密の入り江、そしてロニナラ、ピアッタレラ、プティ スペローネといった格別なラグーンが点在しています。驚くべきことに、ここには地中海の全希少種の40%が生息しています。その豊かな水中動植物や珍しい鳥類の多様性が認められ、2010年にはフランスとイタリアの両環境省の主導により「国際海洋公園」に指定されました。
ボニファシオ:要塞としての歴史
ボニファシオは、単なる「シタデル(城塞)」というより、そこに住み働く人々によって守られてきた「ストロングホールド(要塞拠点)」としての歴史を持ちます。町に付随する城塞部分は、ジェノヴァ共和国時代に海峡を守るための軍事拠点でした。
コルシカは14世紀から18世紀までジェノヴァ共和国の一部でしたが、度重なる反乱を経て1768年にフランスに譲渡されました。海からこの高台を眺めれば、断崖に刻み込まれたかのように密集する家々から、当時のジェノヴァ共和国の権威を感じ取ることができます。その難攻不落な外観は、戦いに満ちた過去を今に伝えています。
ペルトゥザート:南の洞窟
ボニファシオの南に位置するペルトゥザート岬とその灯台は、船乗りたちの道標です。この海域は保護区となっており、あらゆる釣りが禁止されています。許可されているのは泳ぐことだけで、透明度の高い浅瀬でのシュノーケリングは、まるで魔法のような体験です。さらに、海に侵食されてできた石灰岩の洞窟も見どころで、天窓のように空が開いた洞窟内では、美しいターコイズブルーの反射を鑑賞できます。
海が支配する場所
地中海は「外洋」ではありませんが、時として大洋と同じくらいの威厳と力を振るいます。ボニファシオ海峡を航行する熟練の船乗りたちは、この海峡の気まぐれさをよく知り、敬意を払っています。その伝説を決定づけたのは1855年2月、フランス海軍の有名な三本マントの船「セミラント号」の遭難でした。この事件は地域の歴史遺産となり、今も失われた船乗りたちへの追悼が捧げられています。
ラベッツィ諸島と豊かな海底
ボニファシオの石灰岩から10キロメートルほど離れた場所に、フランス本土の最南端、海からしかアクセスできないラベッツィ諸島があります。ターコイズブルーの入り江、白い砂浜、風に磨かれた花崗岩の岩塊――まさに絵葉書のような楽園です。厳格な停泊規制などの保護策により、海底では「ポシドニア(海草)」の草原が再び繁茂し、野生動物に餌場と隠れ家を提供し、海に酸素を供給しています。
マッダレーナ:時が止まったサルデーニャの群島
サルデーニャ島の北西に位置するマッダレーナ諸島は、1994年にイタリアの国立公園に指定された、静寂が支配する場所です。7つの主要な島(ラ マッダレーナ、カプレーラ、スパルギ、サント ステファノ、ブデッリ、サンタ マリア、ラッツォーリ)からなり、主島のマッダレーナ島以外はほぼ無人です。
特にブデッリ島は、わずか1.6平方キロメートルの小さな島ながら、地中海で最も美しい島の一つと言われています。現在は管理人一人が住むのみで、厳格な保護のため船は海岸から距離を置かなければなりませんが、南東側の「スピアッジア ローザ(ピンクの砂浜)」を眺めることができます。この砂の色は花崗岩の粒子によるもので、映画監督ミケランジェロ アントニオーニも1962年の映画『赤い砂漠』の撮影でこの地を訪れました。
数字で見るボニファシオ海峡自然保護区
・80,000ヘクタール: 陸域と海域を合わせた広大な面積
・フランス本土第1位: 総面積において最大の自然保護区
・120キロメートル: 諸島を含む全海岸線の長さ
・1966年: 最初の海洋プロジェクトによって保護区の構想が誕生
・1999年9月23日: 正式に自然保護区に指定
・100メートル未満: 海底の深さ(比較的浅い海域)
紹介をした場所だけでなく、ポナンの地中海を巡るコースの一覧はこちらからご覧いただけます。
ポナンでゆく地中海コース一覧
[英語版サイト]地中海コース一覧