アメリカ五大湖を目指して

アメリカ五大湖を目指して

五感で巡る旅

北米の五大湖は、アメリカとカナダの国境にまたがっています。世界最大の淡水湖群を巡る航海は、まさに文字通りの「発見の旅」です。もし、この地域をいつもとは違う視点――「五感」に訴えかける方法で旅してみたらどうなるでしょうか?

「五感こそが、心に響く最短のルートなのです」

ポナンのエクスペディション ディレクター、ジョゼ サリカが、この手つかずの大自然が残る目的地について、彼ならではの鋭い感性で語ります。

 

見渡す限りの北方の森、360度のパノラマ

私たちはまず、視覚を通じて世界の美しさを実感します。広大な水面と深く多様な森が織りなす壮麗な景色について、ジョゼ サリカはこう語ります。 「岸が見えないほど広い湖の上にいると、まるで大海原にいるような感覚に陥ります。すべてが規格外のスケールで、その圧倒的な大自然を前にすると、人間がいかにちっぽけな存在であるかを思い知らされます。私たちは決して支配者ではないのだ、と。 秋になると、景色は魔法にかかったような独特の色彩を帯びます。北方の森が鮮やかな色彩で『躍動』するのです。黄色、オレンジ、赤、ピンク……まるで誰かが木々に燃えるような絵の具を散らしたかのようです。エメラルドグリーンの松の木とのコントラストも素晴らしく、それが湖面に反射する様子は、ただただ圧巻です」

極北が育む異国情緒あふれる味わい

新しい土地を訪れる楽しみの一つは、その土地の「一皿」に出会うことです。伝統的なカナダ料理を味わってみませんか? 「甘いものがお好きなら、クランベリーやブルーベリーのパイは外せません」とジョゼは声を弾ませます。「お魚が好きなら、スペリオル湖で獲れたマスのメープルシロップ添えが絶品ですよ」 美食の旅はさらに続きます。先住民の伝統的な平焼きパン「バノック」、コーンミールをまぶした「ピーミール ベーコン」、トナカイやカリブーのシチュー、ピーカンパイ、そして「ビーバーの尻尾」の形をした揚げ菓子(ビーバーテイルズ)。最後は、極寒の冬に収穫される遅摘みのブドウから造られる「アイスワイン」で乾杯しましょう。そのフルーティーで甘美な味わいは、まさに最高のデザートワインです。

五大湖の野生動物たちの声に耳を澄ませて

耳を澄ませてみてください。五大湖の動物たちは、姿が見えるよりも先に、その「声」で存在を教えてくれます。ここは決して静寂だけの場所ではありません。 「北方の森では、アオゲラなどの鳥たちのさえずりや、リスの動く音、木々を揺らす風の音が聞こえてきます」とジョゼは説明します。 森の巨人、ヘラジカ(ムース)は実に多様な鳴き声でコミュニケーションを取り、普段は静かなカリブーも時折大きな鼻鳴らしを聞かせます。アメリカグマもまた、唸り声や鼻を鳴らす音を響かせることがあります。そして、シジュウカラ、アオサギ、アメリカムシクイ、ツグミたちが奏でるメロディが、この場所に命を吹き込んでいます。

香りのシンフォニー

私たちは時として「嗅覚の記憶」の力を過小評価してしまいます。香りは記憶と直結しており、心の奥底に眠る思い出を呼び覚ます不思議な力を持っています。 「森の香りは、時に陶酔をもたらします。バルサムモミの樹液の香りや、地面で分解し始めた落ち葉の匂いなどです」とジョゼは言います。 さらに、ホワイトオークの包み込むような香り、シダの芳香、そしてホワイトシダーの力強く爽やかな香り。地に足をつけながらも、空気を通じて未知の世界へと誘われるような体験がそこにはあります。

ジョゼ サリカの思い出の箱

「寄港地では、常に異なるコミュニティとの出会いがあります。彼らの温かく熱心な歓迎には、いつも心を打たれます。 例えば、スペリオル湖北部のバトル島にある灯台のふもとで、かつての灯台守だった老人に出会いました。彼は私たちを灯台の頂上まで案内してくれたのです。秋の色に染まった島々を360度見渡せる絶景の中で、彼は自身の波乱万丈な人生について語ってくれました。それは、心を揺さぶられる忘れられない体験でした」

 

紹介をした場所だけでなく、ポナンの南極を巡るコースの一覧はこちらからご覧いただけます。

ポナンでゆく北米コース一覧

[英語版サイト]北米コース一覧

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