オーストラリア・キンバリー地域 ラセペード・アイランズを訪ねて

articles/023-Lacepede_Islands.jpg

手付かずの大自然がそのままに
バードウォッチャーの楽園へようこそ

西オーストラリア州最北部に広がるキンバリー地域の美しさについて、耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。しかし、キンバリー海岸からすぐの沖合に浮かぶラセペード・アイランズという島々を知る人は少ないかもしれません。この島々は、バードウォッチャーの好奇心をかきたてるスポットです。なぜなら、多くの海鳥が営巣に訪れる重要な島々であり、バードウォッチングスポットとしてまたとない場所であるからです。ラセペード・アイランズについて、またそこに生息する多様な鳥類と海洋生物について、探ってみましょう。 ラセペード・アイランズは、短くは「ラセペーズ」とも呼ばれ、西オーストラリア州のキンバリー沖に浮かぶ4つの島々です。島々は、ラセペード・チャンネルと呼ばれる海峡によってオーストラリア本土から隔てられており、ブルームの街から北へ約120キロの沖合に浮かんでいます。島々を結ぶと、その距離は12キロ。粗砂とサンゴ片からなる低い砂地の島々であり、サンゴ礁の台地の上に背の低い植物が点在しています。

名前の由来は?

島々にラセペードという名前を付けたのは、フランス出身の冒険家であり地図製作者、博物学者、そして水路測量技師であったニコラ・ボーダンでした。同氏は1801年、かつてオーストラリア大陸を呼称する際に用いられた名称である「ニューホランド」と呼ばれる調査遠征に参加していました。そして同年8月5日、オーストラリアの魚種を分類したフランスの博物学者、ベルナール・ジェルマン・ド・ラセペードに敬意を表し、島々に彼の名を冠したのです。ラセペード・アイランズは1811年、オーストラリア大陸全体を描いた最初の地図であるフレシネ地図に初めて掲載されました。これは、イギリスの海図製作者であるマシュー・フリンダースによる地図、「テラ・オーストラリスまたはオーストラリア」(フリンダースが当時オーストラリア大陸を読んだ呼称)の完成に3年先立つものでした。かつて島々にはナポレオン島、グラント島、ビクトリア島の名称が付けられていましたが、現在では、ウェスト島、ミドル島、サンディ島、イースト島の名前で知られています。

一覧へ