
極地を堪能する6つのアクティビティ
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極地体験:消えることのない魔法
北極線、南極線を超え、極地環境を冒険しようという旅人は多くありません。しかし、未知の世界へ踏み出そうという勇敢な冒険家が現れるとき、自然は忘れがたい思い出を授けてくれます。果てしなく続く海氷の世界から野生動物との貴重な出会いまで、地球の北と南に広がる極地を旅すれば、何ものにも代えがたい思い出が生まれます。そして、間違いなく、その旅は生涯最高の旅となるでしょう。
極地を生きる野生動物
ウェッデル海を泳ぐザトウクジラの見事なシルエット、ベリングスハウゼン海沿いのコロニーに戻るコウテイペンギンの歌うような鳴き声、ホッキョクグマの機敏さ、氷に閉ざされた北東グリーンランド沿岸部を歩くジャコウウシの先史時代を思わせる風貌、凍てつく極海の沿岸に顔を出す無数のセイウチの姿、北極の海を覆い尽くす海氷の間に現れるイッカクの牙…。地球という惑星の最南と最北に広がる地域を探索すれば、海氷の世界にのみ生きる動物たちを垣間見る貴重なチャンスがめぐってきます。その壮大さは、私たち人間の想像力を子供時代から刺激し続けてきました。冒険心に溢れる旅人は、(分厚い)ダイビングスーツを身につけ、深い謎に包まれた壮大な極地に「飛び込んで」いくことでしょう。そこには、アネモネの花々、ソフトサンゴ、ダイオウグソクムシなど、様々な動植物が生息しています。大部分が未踏のままの世界が、極地には広がっているのです。
旅を旅たらしめる出会い
探検家アレクサンドラ・デビッド=ニールはかつてこのように語りました。「他者との出会いがない旅は、決して旅とは呼べません。それは、一つの場所から別の場所への移動でしかないのです」。1822年に発見されたカナダ北極圏にあるイヌイットの村、イグルーリク。スコアズビー・サウンド入り口に突き出た半島内陸部にあるグリーンランド東海岸最北の集落、イトコルトルミット村。極地の旅に出れば、この世界で最も辺境な地域に暮らす人々との貴重な出会いが待ち受けています。色とりどりの家屋が並ぶ美しい景色を堪能し、ありのままの北極圏が見せる奥深い魅力を探求してください。グリーンランド伝統の賑やかな集まり、カフェミックを体験するのもよいでしょう。コーヒーにケーキ、時には魚のスープなども振る舞われます。その土地の様々な味を楽しみながら、会話に花を咲かせれば、友情が育まれていきます。
雪と氷の世界の壮大さを探求
イヌイットの言葉には、「雪」を意味する多くの単語が存在します。スノーシューイング、カヤック、犬ぞりなどで極地の壮大な風景の中を進めば、様々に表情を変える雪それぞれの美しさを、イヌイットの人々同様に見出すことができるようになるでしょう。極地が見せる自然風景の多様さは圧倒的です。北極に連なる高山の峰々、世界最南に位置する南極エレバス火山の壮大なシルエット。世界最大・最長のフィヨルド群が広がるスコアズビー・サウンドの氷河、グリーンランドのディスコ湾に浮かぶ無数の氷山。「白い大陸」の氷冠から分離しウェッデル海に浮かぶ巨大な氷の塊。ロス棚氷として知られ、南極の玄関口で海洋生物の住処となっている圧倒的な規模のアイス・バリア。変幻自在に輝きながら漂う海氷、そこに現れる果てしない氷の迷路。雪と氷の世界に広がる万華鏡のような風景には、訪れる人の心に秘められた冒険心を解き放つ、驚きに満ちた力が備わっています。




極地の水がもたらす健康効果
極北の地に暮らす人々は皆、極地の氷水がもたらす健康効果を知っており、特に肌や血液循環に効果があると言います。迷いを捨てて、「ポーラープランジ」と呼ばれる極海ダイブを体験してみてください。水温0.5度の海に飛び込み、素早く水から上がり、バスローブに身を包む。すると、心臓が早打ちし始めるのを実感することでしょう。そこまでの勇気は…という方には、氷山の一片をグラスにお入れします。目を閉じて、間違いなく世界一特別なドリンクをゆっくりとどうぞ。混じり気のない、永遠を閉じ込めたスペシャルな一杯をお楽しみください。
感じることと知ること
極地はこの世界の最も辺境な地域にあるにも関わらず、その生態系は地球上で最大の危機にさらされています。この問題は、自然遺産の保護という課題の核心となっています。極地への旅では、各研究基地で行われている研究の進捗を知り、専門家と意見を交わし、参加型の科学実験に加わることもできます。地球上で最もアクセスが難しい場所をゾディアックと呼ばれるゴムボートやホバークラフトで訪れれば、目にする海氷の美しさはさらに格別なものとなります。熱気球でロマンチックな係留飛行を体験すれば、極地に広がる氷の美しさを空高くから堪能し、同時に氷がたどる変化を深く知ることができるでしょう。
光が踊る空
極地の空も氷に負けてはいません。日中には澄み切った青、たそがれ時にはまばゆいほどのきらめきで、見上げる人々の心を魅了します。極地特有の暗闇が海氷の反射と相まることで、不毛な氷の「砂漠」地帯は、貴重な天文現象を観察する最高の場所にもなります。例えば、2021年12月4日に見られた皆既日食。南極は地球上で唯一、その全貌を観測できる地点でした。また、オーロラを目にするチャンスもあるかもしれません。紫やエメラルドグリーンの光が雪面に反射し、色彩に満ちた異世界が広がる…。時はゆったりと流れ、様々な影が優雅に踊り出す、唯一無二の体験となることでしょう。